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エルサレムで発見の2500年以上前のトイレ、「ジアルジア症」の痕跡

中東エルサレムで2500年以上前のトイレ2基が発見され、排せつ物のサンプルを分析したところ、下痢を引き起こす寄生虫の痕跡が見つかった――。
寄生虫学の専門誌に2023年5月25日、そんな論文が発表された。

元記事

CNN
「エルサレムで発見の2500年以上前のトイレ、「ジアルジア症」の痕跡」
2023.05.26

https://www.cnn.co.jp/amp/article/35204383.html

本文抜粋

石造りのトイレ2基の下にある汚水溜(だ)めから発掘された物質を分析した結果、下痢を引き起こす寄生虫の痕跡が見つかった。2基のトイレはエリート層のものだったとみられる。

当時のエルサレムはアッシリア帝国の政治・宗教上の中心地として活況を呈しており、8000~2万5000人が暮らしていた。

エルサレム旧市街で見つかった約2500年前の石造りのトイレ
エルサレム旧市街で見つかった約2500年前の石造りのトイレ

今回見つかったのは「ジアルジア症」と呼ばれる疾患の最初期の例。この感染症は下痢や腹部の痛み、体重の減少を引き起こす。以前にも現在のトルコに当たるローマ時代の土地や、現在のイスラエルに当たる中世の土地で発見されていた。

論文の筆頭著者を務めた英ケンブリッジ大学考古学部の名誉研究員、ピアーズ・ミッチェル氏は声明で「下痢は排せつ物が飲み水や食べ物を汚染することで広がる。人口過密や暑さ、ハエに悩まされ、入手可能な水が限られていた古代近東の初期の都市では、この点が大きな問題になっていた可能性がある」と指摘した。

現在ではジアルジア症で亡くなる患者の大半は子どもが占める。子どもの場合、慢性的な感染は成長阻害や認知機能障害、発育不良につながる可能性がある。

太古の排せつ物は考古学者にとって情報の宝庫となる。これまでにも、鉄器時代のヨーロッパ人がブルーチーズを味わっていたことや、ストーンヘンジを建設した人たちが牛の内臓を食べていたことなどが排せつ物から判明している。

エルサレム旧市街で見つかった約2500年前の石造りのトイレ

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